変形性股関節症

変形性股関節症について

こんにちは、テラ治療院です。

今回は股関節の悩みの中でも多い、変形性股関節症についてお話します。

1. 定義と分類 

  • 股関節の軟骨がすり減り、骨が変形して痛みや可動域制限を引き起こす疾患
  • 日本では、臼蓋(きゅうがい)が浅い「寛骨臼形成不全」による二次性が約80~90%を占める
  • 原因としては老化、肥満、過労、外傷、遺伝なども含まれます

2. 発症頻度と患者像

  • 日本の有病率は概ね120万~510万人。特に中高年の女性に多い
  • 発症年齢のピークは40〜50代が多く、女性は男性の約4倍

3. 病期(進行段階)

進行度合いは以下の4段階に分かれます :

  1. 前期(超初期)
    • 臼蓋形成不全など構造上の問題はあるが、軟骨はまだ健全。
    • 長時間歩行後に脚がだるいなどの軽い症状のみ。
  2. 初期
    • 軟骨がすり減り関節裂隙が狭くなり始め、骨硬化が見られる。
    • 痛みや可動域制限が出てくる。リハビリ(筋力訓練)や生活指導が有効。
  3. 進行期
    • 軟骨の広範囲摩耗、関節裂隙の著しい狭小化。骨棘・骨嚢胞形成あり。
    • 痛みが強まり、歩行障害や跛行、しゃがむのが難しくなる。
  4. 末期
    • 軟骨がほぼ消失、骨と骨が直接接触。安静時痛・夜間痛も発症。
    • 日常生活に著しく支障があり、人工股関節置換術の適応。

4. 主な症状

  • ▪︎ 立ち上がり・歩き始め時の鼠径部の痛み
  • ▪︎ 階段昇降がつらい、跛行、脚長差、可動域制限
  • ▪︎ 足の爪切りや靴下が履きにくくなる、和式トイレ・正座困難
  • ▪︎ 進行期以降は安静痛・夜間痛・放散痛なども現れる

5. 診断の方法

  • 問診および可動域・歩行を観察したうえで、X線検査が基本 。
  • 軟骨や骨嚢胞、骨棘の程度を評価するためにCTやMRIの活用も重要 。

6. 治療法

A. 保存療法(保存的治療)

  • 生活指導:体重管理、負担の少ない動作、杖の使用など
  • 運動療法:筋力強化(中殿筋など)、ストレッチ、水中歩行・水泳などが推奨
  • 薬物療法:消炎鎮痛薬の内服・外用、関節注射など

B. 手術療法

  • 関節温存術(骨切り術・棚形成術など):初期の臼蓋形成不全に有効
  • 人工股関節置換術(THA):進行期・末期において疼痛・可動域制限の改善を目的に実施

7. 予防と注意点

  • 早期発見に努め、生活や運動の改善で進行を遅らせることが重要 。
  • 不用意に負荷の強い運動をすると逆効果になることもあるため、専門家による指導下で行うべきです 。

変形性股関節症は日本人女性に多く、特に臼蓋形成不全を背景とした二次性が多数を占めます。初期段階では簡単な症状しか見られませんが、進行すると日常生活に大きな支障を来します。その為、早期の対処・定期的な検査・専門医の指導が変形、進行を防ぎ、生活の質を保つ鍵となります。

自分の状態はどうだろうとお悩みの方は是非一度ご相談ください。

皆様の身体の悩みを『技術』と『まごころ』と『おもてなし』で治します。

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